よくある質問

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JCMAC1・2 FAQ

JCMAC1・2のよくある質問とその回答です。

(現在、質問はありません。)

JCMAC3 FAQ

JCMAC3のよくある質問とその回答です。

Q1.ひび割れ誘発目地を設定したいのですが、どのように設定したらよいのでしょうか?
A1.設置箇所にメッシュを作成します。
ひび割れ誘発目地については、設置箇所にメッシュ(幅5cm~10cm程度)を作成し、発熱体(コンクリート)としての物性を与えます。この時、誘発目地部の引張強度の係数c1を欠損率に合わせて落とした値とします。

-例えば断面欠損率40%とした場合-
数値モデル上断面欠損は、実際に断面を欠損させたモデルを作成するのではなく、目地の部分のコンクリートの引張強度を減じる (ft×0.6)ことで表現します。
目地の耐荷力Fは、コンクリート引張強度ft×引張強度目地の断面積A、すなわち
 F=ft×A
であらわされますので、力のつり合いという点から見れば、断面積を40%欠損させることと、強度を40%減じることは等価になります。
 F=ft×A×0.6
したがって欠損率を変化させることは引張強度を変化させることになります。引張強度を小さくすれば、ひび割れの発生材齢は早くなり、逆に大きくすればひび割れ発生材齢が遅くなります。ひび割れ発生直後のひび割れ幅に着目すのであれば、両者の値には差がでますが、構造物が安定温度に 達した時点でのひび割れ幅は、それまでに解放されるエネルギー量で決まりますので、引張強度に依存せず(すなわち早い材齢でひび割れが生じたか、遅い材齢でひび割れが生じたかによらず)ほぼ一定の値に収束します。

補足ですが、数値解析上では、実際の構造物とは異なり、コンクリートの引張強度はコンクリートのどの部分でも均一として扱っています。したがって目地部の引張強度が、それ以外の部分の引張強度より1%でも小さければひび割れが発生します。



[PDF] 誘発目地部の作成例1:切断面要素分割によるメッシュ生成
[PDF] 誘発目地部の作成例2:要素2分割によるメッシュ生成

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Q2.リフトと(発熱体)物性の関係について
A2.通常リフトが変化した場合、打ち込み温度等が変わるため、リフトごとに物性を設定、このためリフトと物性の関係は1対1となります。
JCMAC3 Ver.4.1以前では、すべてのリフトで同じ物性を使用するような場合、1つの物性を複数のリフトに設定することはできませんでした。このような場合、リフトの数だけ(同一内容の)物性を定義していました。
<Ver.4.1以前>


JCMAC3 Ver.4.1より、打ち込み温度を外気温との相対で指定できるようになり、すべてのリフトで同じ物性を使用することができるようになりました。
<Ver.4.1より>

なお、同一の物性データは以下のようにして作成できます。
1つ目の物性を設定した後、再度、発熱体物性の定義画面を開きますと、前の設定が残ったままになっています。 この状態で、材料番号を空欄でOKボタン(もしくは位置ボタン)をクリックしますと自動的に異なる材料番号の発熱体物性データとなりますので、容易に同一内容のデータを作成することができます。

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Q3.外気温と周囲相対湿度の関係について
A3.湿気移動解析を行う際に設定する周囲相対湿度は、外気温と1対1となるように設定します。
これは湿気移動解析の未知数である蒸気圧を相対湿度(飽和蒸気圧に対する蒸気圧)に変換しているためです。
境界条件は本来、蒸気圧で与えるのですが、蒸気圧で与えるのは一般的でないため、相対湿度で与えてそれを蒸気圧に変換しています。
飽和蒸気圧は温度の関数になるため、外気温が与えられている境界でしか飽和蒸気圧を求めることができず、そのため、外気温と周囲相対湿度のデータ数を同じにする必要があります。

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Q4.応力解析とひび割れ幅解析の違いは何なのでしょうか?
A4.ひび割れが発生するまでは、通常の応力解析もひび割れ幅解析も結果は同じです。
ひび割れが発生した後は通常の応力解析では応力解放が行われず、ひび割れを無視して解析が行われます。 ひび割れ幅解析ではひび割れによる応力解放が行われます。この応力解放分は鉄筋が負担することになります。
ひび割れ指数によるひび割れ発生確率を見る場合は通常の応力解析を実行します。

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Q5.乾燥収縮を考慮する場合はどうすればよいでしょうか?
A5.応力物性で乾燥収縮の指定を行い、湿気移動解析を行います。
乾燥収縮を考慮する応力解析を行う場合は、発熱体物性の応力物性で、乾燥収縮の指定(JCI方式かCEB方式、もしくは外部ファイルのどれかを選択)しておく必要があります。
この設定をしたデータについて温度解析→湿気移動解析→応力解析を順に実行します。
湿気移動解析を実行しても、応力物性で乾燥収縮の指定がされていないと乾燥収縮は考慮されませんので注意してください。

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Q6.要素の中で、解析に使用できる要素はどれでしょうか?
A6.HEXA、PENTA、TETRA、HEAT4、HEAT3、ETRUSSです
解析で使用する要素はソリッド要素(要素名HEXA、PENTA、TETRA)と、2次元熱伝達要素(要素名HEAT4、HEAT3)、および埋め込み鉄筋要素(要素名ETRUSS)だけです。
それ以外の要素は、解析で使用する要素を作成するための作業用的な要素で、解析には使用しません。 それらの要素が存在していると解析実行時にエラー(ステータス3:解析に不適当な要素があります)となります。
使用している要素名は線画描画時に要素名毎色分けを指定することで確認することができます。

(使用要素のインデックスが表示されます)

削除で、FEMIS要素名を指定、不要な要素名を選択して実行してください。

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Q7.地盤のモデル化はどのようにするのがよいでしょうか?
A7.地盤のモデル化の範囲は、深さ方向は10m以上、横方向は構造物の2倍以上とします。

地盤の初期温度については計測値等がない場合、以下のようにします。
  • 地盤表面の温度は底版打設当日の外気温とします。
  • 地盤最下面は温度変化がないもの(固定温度境界)とします(この固定温度境界は一般的に当該地域の年平均気温)。
  • 地盤表面と地盤最下面の間は温度を線形補間して与えます。
簡易的に地盤全体に同じ初期温度を与える場合は、一般に15℃~17℃の値が用いられます。
※上記はあくまで参考で、指針などの設定に沿って解析される場合は、その設定を用いてください。

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Q8.徐々に間隔が粗くなるメッシュの作成例
A8.解析時間を短縮させるのための方法として、節点・要素数を少なくしてモデルサイズを小さくすることがあげられます。 そのため、地盤部分のメッシュで、影響のでない範囲のメッシュを粗くしていくことで節点・要素数を減らすことが可能です。

[PDF] 徐々に間隔が粗くなるメッシュの作成例

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Q9.埋め込み鉄筋要素についての注意事項
A9.埋め込み鉄筋要素(要素名ETRUSS)は、ソリッド要素内部に埋め込んで使用するため、どのソリッド要素に埋め込まれているかの情報を持ちます。
しかしながら、隣り合うソリッド要素の共通辺上に埋め込み鉄筋要素を生成してしまいますと、どのソリッド要素に属するかの判定ができず、意図しないソリッド要素に属してしまう場合があります(図1)。
ひび割れ幅解析では、埋め込み鉄筋要素は属するソリッド要素内での割合(鉄筋比)として扱われるため、本来、鉄筋が存在しないソリッド要素に鉄筋の効果が考慮されてしまうことになります(図2、図3)。
図1:赤が埋め込み鉄筋要素。どちらのソリッド要素に属するか判定不能。

図2:想定している鉄筋の効果が考慮されるソリッド要素。

図3:正しく設定されない可能性がある。

このようなことが起こらないよう、埋め込み鉄筋要素はソリッド要素のメッシュラインとはなるべく一致させないよう、少しずらすなどして回避してください。
また、粗いメッシュに埋め込み鉄筋要素を生成した場合、鉄筋比が小さくなり、効果が薄れてしまいますので注意してください。

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Q10.コンクリートの初期温度と打ち込み温度はどのように違うのでしょうか?
A10.同じ値を設定します
コンクリートの初期温度=コンクリート打ち込み温度と考えます。このコンクリート打ち込み温度は一般に、外気温+3~5℃として設定します。

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Q11.解析ステップ(解析刻み)はどのように指定すればよいでしょうか?
A11.初期は細かく、時間の経過とともに荒く設定します
解析ステップの目安としては一般に、
打込み~6時間 Δt=1時間
6時間~12時間 Δt=2時間
12時間~24時間 Δt=3時間
1日~3日 Δt=6時間
3日~7日 Δt=12時間
7日~ Δt=24時間
として、現象の遅い期間は、Δtを大きくして計算効率を高めることを推奨します。
1ステージで解析ステップを複数指定する場合は "/" (スラッシュ)で連結します。
例えば13日間のステージを、1ステップ3時間を24ステップ、6時間を24ステップ、1日を4ステップとした場合、解析ステップの指定は "3h24/6h24/1d4" のようになります。

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Q12.評価ライングラフについての注意事項
A12.[グラフ]-[分布]-[評価ライン]は画面上で見えている要素稜線と評価ラインとの交点で成分値を算出しています。
図1-2のようにモデル内部を結ぶラインを指定しても、実際は図3-5のようにモデル表面のラインとなってしまいます。
図1-2:節点番号48と390をモデル内部で結ぶ評価ラインを想定。


図3-6:正しく結ばれていないラインで評価グラフを描画してしまう。

(横から見た場合)

(正面から見た場合)


従って、モデル内部の評価ラインを引く場合は、[変更]-[描画範囲選択]で評価ライン上の要素群を表面に出すようにしてください。
図7-9:要素を消去して、評価ラインを表面に出して評価ラインを指定。


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Q13.脱枠の指定方法
A13.[解析]-[ステージ設定]で、同一到達リフトで型枠あり、なし(脱枠)の期間を指定します。
(1リフトの期間を、型枠があるステージと、ないステージの2つに分ける。)

[解析]-[熱伝達係数]-[熱伝達係数]で、「プロット指定」を選択して、それぞれの期間の熱伝達係数を指定します。 また、この時、型枠があるステージの露出割合を0とします。
(熱伝達係数が14を境に、自動的に露出割合は(14未満は0、14以上は1が)設定されます。)

対応する位置(のHEAT要素)に上記熱伝達係数を設定します。

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Q14.自重の考慮について
A14.自重を考慮する場合は、[解析]-[物性]-[発熱体]の「応力物性」で、「自重:考慮する」を選択します(デフォルトは「考慮しない」)。
自重は「打設後7日目」または「ステージが変わった時点(=脱枠時)」の短い方の日数から載荷されます。
(例えば3日目で脱枠する場合は、その時点でステージ設定を次のステージとします。)

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Q15.形状、濃淡図などの結果表示と、グラフの表示を同時に行いたいのですが、それらを別々の画面に表示することはできますか?
A15.グラフの出力先を「別ウィンドウ」にすることでグラフを別のウィンドウに描画します(デフォルトで別ウィンドウ)。
他に以下の方法もあります。
・グラフの出力先を「MicroSoft Excel」にしてExcelでグラフを描画する。
・FEMOSを複数起動して、同一モデルを読み込み、一方のFEMOSで形状や濃淡図、もう一方でグラフを「同ウィンドウ」で表示します。

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Q16.ひび割れ幅解析の、iモデルとsモデルの違いはどのようなものでしょうか?
A16.iモデルとsモデルでは使用している構成則が違うため,ひび割れ幅の評価が異なります。
<iモデル>
・材齢や損傷による強度や剛性の変化を単純な方法により考慮
・せん断抵抗の影響について、全体座標系における弾性せん断剛性を低下させることで簡便に考慮
・引張側のみ非線形であり、圧縮側は逐次弾性
<sモデル>
・材齢や損傷による強度や剛性による変化をSolidification Conceptで客観的かつ緻密に考慮
・せん断抵抗の影響についてShear Latticeを導入することにより、客観的かつ緻密に考慮
・引張圧縮が混在する応力場でも適用可能

iモデルは単純な格子モデルであり、かつ有効弾性係数の考え方ができるため、初期応力の評価および初期ひび割れの評価を簡便に行うことができます。
sモデルは客観性があり、初期応力のみならず構造挙動を評価することができるなどの利点があります。
ただし、sモデルでは現状では有効弾性係数の考え方ができないため、目的に応じて2つのモデルを使い分けることが肝要であるといえます。
なお、Ver.4以前のひび割れ幅解析はiモデルになります。

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Q17.応力等を、濃淡図で描画した時の右下に表示される最大値と、数値図で描画した時の最大値がが違うのですがどうしてですか?
A17.平均化処理が入るためです。
応力の濃淡図を描く場合、まず、要素の数値積分点から要素構成節点へ外挿計算し、その節点での応力値を求めます。

- 構成節点へ補間 -


次に、その節点に接続する要素間で平均化して、その節点での応力値として、濃淡図を描きます。

- 平均化 -


それに対して数値図は補間/平均化はせずにそのままの値を表示します。
この違いにより、応力に限らず要素成分は表示される最大値が違ってきます。
特に、メッシュが粗く、隣り合う要素で変化が大きい個所がある場合は、この違いが顕著になることがあります。その場合は、メッシュを細かくすることで改善されます。

なお、節点成分である温度や、連続量として扱える応力などは問題ありませんが、ひび割れ指数のような連続量でない指標値を平均化してしまうと正しい情報が得られなくなります。
そのため、ひび割れ指数では平均化を行わず、そのままの値で要素を塗り分ける要素色分け図の使用を推奨します。

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Q18.パイプクーリングでパイプが分岐していないのに分岐しているとエラーになるのですがどうしてですか?
A18.本エラーは長さが0のパイプ(ETRUSS要素)がある場合も発生します。
ETRUSS要素の長さが0になる原因として、節点のマージによるものが考えられます。
JCMAC3ではパイプはメッシュに依らない任意の位置に生成することが可能です。



ETRUSS要素はメッシュ(ソリッド要素)を貫通する面毎でパイプを分割して生成します。


ここでパイプの端部がメッシュ境界の近傍に指定された場合、長さが極端に短いETRUSS要素が生成されることがあります。
そのあと、節点のマージで、このETRUSS要素の長さより大きい許容誤差を指定してしまうとETRUSS要素の構成節点がマージされてしまい、長さ0で構成節点が1点のETRUSS要素になってしまいます。



これを回避するには、マージの許容誤差に([情報]-[節点距離]から得られる)ETRUSS要素の長さより小さい値を指定して実行してください。

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Q19.ブロック数が最大ブロック数を超えていますと表示されたのですがどうすればよいでしょうか?
A19.本エラーは生成できるブロックの数が設定している最大値を超えた場合に表示されます。

以下の方法で解消することができます。
  1. ブロック番号の付け直し
    ブロック番号を1から付け直すことで最大値を小さくします。
    ブロックの番号に欠番が多い場合は、こちらの方法がおすすめです。

    メニュー:[変更]-[削除]
    「削除データ:空・節点ブロック」で全ての空ブロック(節点/要素が存在していないブロック)を削除します。

    メニュー:[変更]-[番号]-[付け直し]
    対象に「ブロック番号」、開始番号と増分を「1」、範囲指定を「構造物全体」に指定して実行すると、モデル全体のブロック番号を1から順に付け直します。

  2. ブロックの統合
    複数のブロックを統合して一つのブロックに変更することで最大値を小さくします。
    ※注意:統合後のブロックはブロック情報(ブロック面、サイド)が消えて単純ブロックになります。

    メニュー:[変更]-[ブロック統合]
    範囲指定で「構造物全体」を選択すると、モデル全体を一つのブロックに統合します。
    範囲指定で「ボックス/要素/ブロック」を選択すると、任意のブロックに分けて統合できます。
    「構造物全体」「ブロック」の場合、「指定内最小ブロック番号使用」をチェックして実行すると指定範囲内の最小番号のブロックに統合します。

  3. テーブルサイズの拡張
    [ファイル]-[環境設定]-[テーブルサイズ/最大値]の基本にある「ブロック数」の値を拡張して最大値を増やします。
    ただし、最大値を大きくしすぎるとメモリが確保できなくなる場合がありますので、1万以下を推奨します。
    ※テーブルサイズ/最大値を変更すると、現在のデータテーブルはクリアされますので、作業中のデータを保存してから実行してください。

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Q20.ひび割れ幅解析で時間ががるのですが短縮する方法はありますか?
A20.閾値を調整することで解析時間を短縮することはできます。
温度解析と応力解析の線形計算に対し、ひび割れ幅解析は非線形計算になります。 線形の応力解析では1回の計算で済むところを、非線形計算では許容応力を超えないよう余剰応力を再分配しながら、 計算を何千回、何万回と繰り返すので、必然的に線形計算に比べて比較にならないくらい時間がかかります。 従いまして(モデルにもよりますが)半日や一日かかるのは珍しいことではなく、むしろ普通のこととお考えいただいたほうがよいかもしれません。

なお、繰り返し回数が大きくなり(デフォルトの1000に到達するような)時間がかかる場合、閾値を調整することで解析時間を短縮することはできます。
このとき、注意が必要なのが、最大値以降は、不平衡力残差は強制的に次のステップに持ち越されます。
繰り返し回数の最大に達した時点で、convの値が2~3%程度(すなわち0.02~0.03程度)であれば、解に大きな違いはないと思います。
convの値が大きいまま次のステップに進むということは、(大きな)誤差を含んでいるということになり、それが次のステップ、その次と積み重なりますので解の信頼性が低くなります。

[PDF] 解析パラメータの設定例
上記資料は、閾値を0.01、反復回数を300に設定した例で説明しております。
ここでは、最大反復回数300に達したときの残差が0.019となっておりますので、ひとまず許容できる範囲と判断してよいと考えます。
解析が終了して、ひび割れが発生している場合は、このように最大繰り返し回数に達しているステップが何か所もみられるはずですので、 いずれの箇所においても2~3%以内に収まっているかを確認されることをお勧めいたします。
# 通常は反復回数はデフォルトで、閾値を0.01までに設定するのがよいかと思います。

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Q21.モデルのメッシュが正しいかチェックする方法はありますか?
A21.有限要素法のモデルでは、メッシュは節点で連続(接続)している必要があります。
以下の方法でメッシュ生成において重要な形状チェックが可能です。
■外形図の利用
メッシュが節点で連続(接続)しているか確認する方法として外形図を利用します。 外形図のアルゴリズムは、隣接している要素の共通辺は描画しない、というものです。 逆に言えば外形線以外の場所に線が表示されていると、そこは正しく接続されていないことになります。


これによりメッシュが正しく接続しているか確認することができます。
また、外形図描画時に以下のメッセージが表示されることがあります。

このメッセージが表示された場合は、リストウィンドウに接続関係が正しくない要素の要素番号が出力されています。


■最小節点間距離の利用
[情報]-[節点距離]の「最小距離」を実行することで確認することができます。
最小距離を実行しますと、リストウィンドウに最小節点間距離(MINIMUM DISTANCE BETWEEN 2-NODES)と要素内最小節点間距離(MINIMUM DISTANCE BETWEEN 2-NODES IN ELEMENT)を出力します。
通常であれば両方とも非ゼロの値になるはずですが、最小節点間距離がゼロになっている場合は、同一位置に節点が重複して存在していることを示しています。この場合、マージのし忘れ等の可能性があります。
また、つぶれた(縮退した)要素が存在していると、その情報(DEGENERATE ELEMENT LIST)も出力されます。

(縮退要素)

縮退要素は解析精度が悪い、場合によっては解析でエラーになることがありますので、どうしてもメッシュが生成できない場合以外は極力使用しないことをお勧めします。

上記の方法で出力された要素の接続や形状を確認してみてください。
・要素番号からモデルのどこにある要素か確認する。
 # 参照:Q22.要素の位置を知る方法はありますか?
・描画範囲選択で対象要素だけを描画してみる。

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Q22.要素の位置を知る方法はありますか?
A22.要素番号からその要素がどこにあるかを知る方法としては[表示]-[描画]-[選択]を実行します。
ToolBox設定の[選択]ボタンからも同じ画面が表示されます。


「種類:要素」を選択して「任意」シートで位置を知りたい要素の要素番号を入力して実行します。


該当要素に要素番号が表示され位置を知ることができます。
※注意事項※
隠線描画で、該当要素がモデルの内部だったり、裏側にある場合には番号は表示されません。その場合は透視図にして実行してください。 (メッシュが複雑な場合わかりにくいかもしれませんがおおよその位置を知ることはできるかと思います。)

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Q23.解析エラー情報から原因を調べる方法
A22.解析でエラーが発生した場合、ステータス番号とエラーの種類によってはエラー情報ファイルが出力されます。
解析ログ表示画面でステータス番号の行をダブルクリックしますと該当ステータスのヘルプが表示されます。
エラー情報ファイルの行をダブルクリックしますとメモ帳でエラー情報ファイルを開きます。

エラー情報ファイルはモデルと同じフォルダに拡張子er1で作成されていますので、後でエディタ等で確認することもできます。
ヘルプに書かれているエラーの原因と、エラー情報ファイルにはエラーの原因となった要素番号等が出力されていますので、それらを確認、必要に応じて修正を行いエラーの原因を取り除いてください。
[PDF] 解析エラーの確認例

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